シートン法とは

Q.シートン法とはどの様な手術ですか

シートン法は肛門括約筋と呼ばれる肛門で排便やおならをコントロールする機能を担う重要な筋肉が痔ろうにかかってしまい、そのまま手術すると肛門機能に影響がでる場合に使用されます。

シートン法では、痔ろうで出来たろう管にゴム紐を通して長時間を掛けてろう管を切除していく方法です。肛門括約筋に影響が少ない反面デメリットも存在します。

シートン法の詳細

シートン法は主に以下の様な特性を持っています。

全ての痔ろうタイプで実施可能

開放切開術が使用できる痔ろうは『I型』、『II型』、『III型』、『IV型』の全てで使用可能です。

痔ろうのタイプは外からは判断することが出来ず、手術で肛門の奥を視認するかMRIで確認する必要があります。

手術難易度は普通

シートン法はろう管にゴムを通すだけなので、手術難易度は高くありません。

麻酔のタイプは腰椎麻酔

肛門は神経が集中する部分であり、部分麻酔では痛みが残る可能性があります。その為、腰下を全て麻痺させる『腰椎麻酔』を使用します。

手術時の痛みは全くなし

しっかり麻酔が効いていれば手術時の痛みは全くありません。

再発率は低め

シートン法では時間をかけながらろう管部分を切除した部分が再生されることによりきっちりと治っていくため、再発率は低くなります。

入院日数は日帰り～1週間程度

麻酔が全身麻酔ではなく腰椎麻酔になる為、しびれが切れる6時間程度待てば家に帰る事ができる、いわゆる日帰り手術も可能です。

手術後何日入院するかは病院によって様々ですが長くても1週間程度であることが多いようです。

手術後は3ヶ月から1年で完治

手術後、痛みは2,3日で引いてしまいます。その後はゴムがろう管を徐々に切除し、緩んだら締め付けるという作業を続けます。

3ヶ月から1年の長い月日をかけて最終的にゴムが取れます。ゴムが残っている間は傷口から滲出液が出続けます。

後遺症

シートン法の最大の欠点は治療に長時間かかり、その間肛門にゴムが通ったままになるということです。

この状態は少なからずお尻に違和感を感じる事があります。

 シートン法の流れ

シートン法の流れについて説明します。

1. 腰椎麻酔

シートン法(腰椎麻酔)

まず、腰椎麻酔を行い腰下の痛みを感覚を一時的に麻痺させます。

腰椎麻酔の針は非常に細いので痛みはほとんどありませんので安心してくださいね。

 2.ろう管確認

シートン法(ろう管確認)

麻酔が聞いたことを十分確認した後、ゾンデと言われる細い金属棒で2次口から1次口に向かって突き刺していくことでろう管がどこを走っているかを確認します。

内容だけ読むと非常に痛そうですが、既に麻酔がかかっているので痛みは全くありませんので安心して下さい。

3.ゴム紐を通す

シートン法(ゴム紐を通す)

シートン法の最大の肝となる『ゴム紐』を通していきます。

ゴム紐は肛門の体の外側で結び目を作り、適宜締め直すことが出来るように取り付けます。

4.ゴム紐による緩やかな切除、自然治癒

シートン法(ゴム紐による切除、自然治癒)

ゴム紐を締めて通常生活を送ります。

ゴム紐がろう管を通して体の細胞を少しずつ切っていき、同時に再生が起こります。

切除が進みゴム紐が緩んだら再度締め付けを繰り返し、徐々にろう管を切除します。この間は滲出液が出続けます。

5.完治

シートン法(完治)

早くて3ヶ月、ながければ1年程度の時間を掛けてようやくゴム紐が取れると完治となります。

シートン法の術後に痔ろうの再発を完璧に防ぐ

痔ろうは再発する病気である

シートン法を行い、痔ろうが完治したと思って安心しては行けません。

実は、痔ろうは不安定なお通じを続ける限り何度でも再発してしまう恐ろしい病気なのです！

適切な対処をすれば痔ろうの再発は防げる！

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