10_発症から入院まで

2回めの診察 手術が決定(痔ろう8日目)前編

痔ろうの手術が確定してしまった私。しかも、血なまぐさい話を聞くとすぐ脳貧血を起こしてしまいます。手術が必要な最終確認をするために大きなK病院までやって来ました。私は今日も無事におうちまで帰ることが出来るのでしょうか。

1. 先生の診断

触診をしてくださるのは、先週お世話になったA先生。

廊下に顔を出して私の顔を認めると笑顔に。
私は先週の失態(脳貧血)を思い出し顔が赤くなります・・・。

1.1 問診

先生「それ依頼調子はどうですか?」
私「痛いのはあの一日だけでした」
先生「そうかー。一日だけだったか・・・。」

私(痔ろうの場合、数日痛むことも多いですし実は内角痔とかなんじゃないですかね)

なんて甘い考えを持ちつつ話を続けます。

 

1.2 触診

先生「じゃあもう一度診てみましょう」
2回目なので慣れたものです。自分で衣服を緩め、ベッドに横になります。

先生のゴム手袋をバチっとつける音がしてむにむにとお尻に指が潜り込みます。
先週より今みは驚くほどマシになっています。

先生はお尻の奥、背中側の壁をグリグリしながら確認してきます。

先生「ここは痛いでしょ〜」
私「痛いかと言われれば他よりは痛いです」
先生「う〜ん、やっぱりここがシコリがあるねぇ」
私(やっぱり痔ろうなのね涙)

先生はなにやら肛門をこじ開ける機械をガチャガチャ用意されています。

むににーっ!

お尻に器具が突っ込まれ待つこと数秒間。

先生「はい、良いですよ〜。」

衣服を戻し椅子に座ります。

 

1.3 診断結果

私「やっぱり痔ろうですか…?」
先生「だと思います。奥の方にしこりがあったでしょ。あんな感じになるのはほぼ痔ろうだと思って間違いありません」
私「そうですか…」

 

1.4 MRIを撮る?

先生「MRIを撮ってもっとはっきりさせてから手術するか決めましょうか」
私「MRIってなんですか?」
先生「磁力の力で体の中をチェックする機械ですよ。CTスキャンとかあんな感じをイメージして下さい。筒の中に入るだけなので痛くありませんよ」

私の心配はカメラを飲んだりする難しい診察だと貧血の心配があって懸念していたのですが、先生は早くも私の思考を先読みして頂けたようです。とても助かります。
私「MRIをしなきと手術は受けられませんか?」
先生「いえ、そういう訳ではないですよ。その方が私さんも納得できるし、9割9分ありませんが、(お尻を)開けてみて誤診と言うことになると、せっかく勇気を出して手術したのが無駄になっちゃうしね」

 

1.5 先生を信じて手術を決断

このあたりで私の心は決まりました。貧血を心配して手術を避けたがる私をなんとか納得させようとMRIで詳しい検査までとことんやって、確実に痔ろうと分かってから手術になるように段取りして頂けているのです。本来なら手術するか決めたら来てください、と突っぱねても良い状況なのにこちらの不安解消に勤めてくださる先生ならばきっと手術も大丈夫だろうと思えました。」

先生「MRI受けられますか?受けるならこの病院にはないので受けられる病院を決めたいんですけど」
私「いえ、MRIは無しで良いです。手術して下さい。」
先生「…そうですか。分かりました!では手術日を決めましょうか」

1.6 肝心の手術日は?

先生は裏に入って手術日を確認されています。後は少ない日にちで手術日になってほしいだけです。日が長いとドキドキする時間が増えるだけなので…。

先生「火曜日と金曜日が手術日なのですが今週はもういっぱいなので、来週の火曜日でどうですか?」

私「来週ですか…。ちょっと遠いですね」
先生「う〜ん、遠いか〜」

何度か裏に戻って

先生「この日はあの手術とこの手術でー、この日は4件だから絶対無理だよねぇ」

と、かなり迷ってくださっている様子。定員オーバーで都合がつきそうもありません。もうこれ以上はご迷惑になるので、私は来週の手術を決意しました。

私「では、来週火曜日でお願いします。」

先生「分かりました。」

 

 

2. 手術に向けたお話

決まったからには入院の流れを確認です。

2.1 入院の流れは?

私「入院は1日目は下剤なんかを飲んで2日目に手術のパターンですか?」
先生「いえ、お仕事されて忙しい方も多いので1日目に手術で大丈夫ですよ。10時に入院して貰って浣腸します。手術は15時からになります。」

 

2.2 手術時間は?

私「なるほど。ちなみに手術時間はどれくらいですか?」
先生「手術自体は30分くらいと思ってください。準備やらを入れると1時間くらいかな」

 

2.3 脳貧血でも受けられますか?

私「脳貧血起こすことだけが心配なんです。怖いとかではなく血を見たり、恐らく手術室を見ただけで倒れるかもしれません。手術台に辿り着く自信がないんです」

脳貧血を起こさない人からすると、全く信じられ難い話かと思うのですが、本当に手術台まで貧血を起こさずに辿り着く自信が無いのです。いざ本番で脳貧血を起こした日には話になりません。

先生「分かりました。では、当日は初めからストレッチャーに載った状態で手術室に入りましょう。麻酔科が難関かな」

私「腰椎麻酔ですね」
先生「ん?私、前にそれ言いましたっけ?」

私「いえ、実は貧血を何とかするべく通勤中にいろんな方の痔ろう手術のブログを総ナメしまして、貧血になりながら会社行ってました…」
先生「すごい努力ですね…」
私「ありがとうございます…」

先生は、私の真剣さを認めてくださった様子でしばらく悩まれた後、麻酔についても特別に対応を入れてくださる事になりました。

先生「麻酔科の先生と相談して、手術中に意識がぼやっとする薬を入れてもらえるようにしておきますね。」
私「鎮静剤ですね!とても助かります!!」

『鎮静剤』がスラッと出てくる私に苦笑しつつも先生は優しく頷いて下さいます。

この先生の計らいは私の中で手術を無事に乗り越える自信が5割増しで上昇しました!(ちなみに元は2割なので、現在7割成功の確率です)

脳貧血は頭を心臓より下げる事で急激に回復します。ストレッチャーに寝転んでいれば貧血を起こさない可能性が高くなります。また意識も薄くなるなら、さらにその確率が上がるという訳です。

 

2.4 手術のリスク説明

 

先生「じゃあ、一応、形式になりますが手術のリスクについて説明します。あり得ないと思いますが、合併症になる可能性があります。出血が止まらなかったり、感染症にかかったり、腰椎麻酔後にすぐ動いてしまうとひどい頭痛が出る可能性があります。そちらが同意できる場合のみ手術になりますので、同意できる場合はサインを入れて持ってきてください。」

この内容は、どんな手術でもその手術が引き起こす可能性のあるリスクを十分に患者に説明し同意できなければ手術ができないという決まりから来ています。合併症のリスクは可能性としてはゼロにはできないのでこうして説明をしなければいけないのです。手術をすると決め、リスクも可能性としては低いため、私の心はもう決まっていました。

私「分かりました。同意してサインの上次回お持ちします」
先生「分かりました。じゃぁいっしょに頑張りましょう」

この後、更に手術前検診があると言うことで、先生に厚く御礼申し上げ診察室を出ました。

えてして私の初手術の日程が決まりました。もう後戻りは、できません。

 

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