Q.痔ろう手術を受けると後遺症は残りますか
A.手術の方法次第で残る場合があります。
痔ろうの手術は3パターンあり、それぞれで『短期間の後遺症』、『一生の後遺症』が異なります。
手術方法 | 短期間の後遺症 | 一生の後遺症 |
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解放切開術 | 2カ月程滲出液が出る。 半年程度おならや不安定なお通じが我慢しにくい | 無し |
くり抜き法 | 無し | 無し |
シートン法 | 3ヶ月から一年 ゴムが取れるまで違和感があり 滲出液が出る。 | 無し |
複雑化した痔ろう手術(※) | 傷が治るまで滲出液が出る (期間は手術による) | おなら、うんちが我慢出来ない。 日常生活が送れないレベルだと人工肛門にらしなければならない。 |
(※)通常は肛門括約筋を保護して手術を行うが複雑化し過ぎて保護が出来なえず止むを得ず肛門括約筋を切除する場合
解放切開術の後遺症
基本的に解放切開術は浅いI型かII型の痔ろうで背中側(肛門の後ろ側)に出来た場合に用います。
解放切開術は肛門括約筋を含めて痔ろうを切除しますので、肛門の一部とそれを支える肉がなくなります。この為、再び切除された部分が再生するまでの約半年から一年の間、肛門が緩くなります。
この為、おならが非常に出やすくなり、お通じが不安定だと我慢すら出来ずに漏らしてしまう可能性があります。
私も体験しましたが、全くおならの存在を意識出来ない状態にあったにも関わらずいきなり出てしまう様な状態でした。幸いにも屋外でお通じが不安定なる事はありませんでしたので、漏らしてしまう事はありませんでしたが、普段からお通じが不安定な人は手術後にしっかりお通じ対策をして体質を改善しておきましょう。
あなたが不安定なお通じは簡単に治るものでは無いと考えているのであればそれは大きな間違いです。お通じが不安定な人もきちんと効く対策をすれば非常に簡単に治す事が出来ます。
私が実際に行って素晴らしい効き目を体感した『不安定なお通じ対策』はこちらです。あなたが不安定なお通じに悩んでいるのであれば是非試してください。
早めに対策をしておかないと手術後半年から一年の肛門のゆるい期間にお通じが不安定になると漏らしてしまう恐れがあるので手術前から早めの対策を取りましょう。
くり抜き法の後遺症
基本的にくり抜き法は肛門括約筋を保護して最低限の肉を切除する手術で他の手術と同じ様に滲出液が出る以外は主な後遺症はありません。
シートン法の後遺症
基本的にシートン法はくり抜き法では肛門括約筋を保護しきれない位置に出来た痔ろうを治療する場合に用いられます。
シートン法ではゴムをろう管に通してゴムの力で肉を徐々に切除し同時に再生させていくという方法をとります。
この作業が非常に長く時間がかかり、その間はずっと滲出液が出続ける他、ゴムの締め直しで定期的に、痛みも感じなければなりません。