お産と痔ろうは関係ありません
痔と痔ろうは異なる病気
良く『お産をすると痔になる』といった事を耳にして、同じ様に『お産をすると痔ろうもなるの?』と心配される方がいます。
しかし、痔と痔ろうは全く異なる病気です。お産で痔ろうになることありませんので安心してください。
お産でなりやすいのは『ただの痔』の方
お産で痔ろうにはなりません。しかし、『ただの痔』の方はお産でなりやすいと言われています。
自然分娩の場合になりやすい
科学の発展とともに自然分娩、帝王切開、無痛分娩など、お母さんの体調や赤ちゃんの状態により様々な分娩方式を選べるようになりました。母子ともに健康でいられる可能性があがる大変すばらしい進歩ですね。
その中でも、痔になりやすいのは『自然分娩』です。自然分娩は赤ちゃんを産む時にお母さんが『いきむ』作業を行います。この時、意図せず肛門にも強い力がかかります。肛門に強い力をかけてしまうと血管が鬱血し痔になりやすいのです。
痔ろうは肛門の奥にある歯状線にゆるい便が詰まることで起こる
一方で痔ろうの発生メカニズムは痔とは全く異なります。肛門の奥にある歯状線と呼ばれる小さなくぼみにゆるい便が勢いよく押し込まれる事が発端となります。さらに体調が悪いと免疫力が低下して押し込まれた便が原因で化膿してしまいます。この化膿がどんどんひどくなると痔ろうが完成します。
つまり、お産で歯状線に便がつまりやすいかというと、そうではありません。むしろ普段の生活でお腹が不調だったり体調が悪かったりする事の方が痔ろうの大きな原因となります。
安心して出産されてください
まとめとして、出産と痔ろうは特に関係性はありません。安心して元気な赤ちゃんを産んでくださいね。