痔ろう根治手術は無事に終了しましたが、その後の2大難関である「おしっこ」と「うんち」に挑みます。特に「おしっこ」がでないと恐怖のカテーテルを付けなければなりません。私は無事に2大難関に打ち勝つことが出来るのでしょうか。
手術後の2大難関との戦い
20:15 手術後初めてのおしっこ
やがて安静解除となる20:15がやってきました。しかし、中々看護士さんが現れません。看護師さんは私がただ寝ている間も、同室のおじいさん達のナースコールに呼ばれおむつの交換などをこなし、食事を取らせ、検査、投薬を行っています。とても大変そうで私のご飯が多少遅れた事ぐらいで文句のつけようがありません。
足のしびれはいつしか完全に抜けており、足を曲げてマッサージしながら看護師さんの到着を待ちます。
そして、20:20頃に看護士さんがやってきてこの後の話をしてくださいました。
看護士さん「では、これから安静解除になるので、まずオシッコに行ってください。私も付き添います。おむつはトイレの中にあるゴミ捨てに入れてもらって構いません。それから代わりにパッドを当ててもらいますので一つ持って行ってください」
私は、嫁様に買ってもらった生理用ナプキンの一つを手に取りました。
ちなみに、この時嫁様に用意してもらったのはこちらです。
これが生まれてはじめてのナプキン体験です。なお、この病院ではナプキンと呼ばず『パッド』と表現されていたので今後はそちらで統一していきたいと思います。
看護士さんに助けられながら体を起こしましたが、足のしびれの影響もなくしっかり立つことが出来ました。
病室を出てすぐの所にあるトイレまで付き添ってもらい、看護士さんから注意を受けます。
看護士さん「麻酔が残っているので出にくいと思います。もしこのまま出ないようでしたら管を挿して出すことになります」
そう言いながら看護師さんは右手と左手を何かを握るようにして左手に持ったものを右手側に挿すジェスチャーを取ります。
オシッコを強制的に出す管は『カテーテル』と呼ばれるもので、看護士さんの左手は恐らくこれを持つジェスチャーと思われます。
ちなみに、右手は恐らくナニであると思われます。
この『カテーテル』ですが、聞く所によりますと『恐ろしく痛い』との事で『男性の痛みトップ3』にも入ると噂されるほどの恐ろしい医療器具なのです。
ちなみに女性は尿道が男性より短いため、痛みはさして強くないとの事ですのでご安心ください。
ここでおしっこが出ないと、カテーテルが決まってしまうとのことでこれは笑っていられません。
せっかく無事に痛みなく手術を切り抜けたのにトップ3の痛みなど味わいたくありません。
ここはなんとしてもオシッコを出さねばなりません。
意を決しておむつを下げます。あれ?血が全く付いていません。滲出液すら付いていません。
そんなものなのかなぁと思いつつ、長期戦に備えて便座に座ると、なにやら赤く染まったガーゼの塊が落ちています。
どうやらガーゼがまだお尻に張り付いていてそれが知らぬ間に落ちたようです。
つまみあげて近くのゴミ箱に入れます。ガーゼは血と恐らく滲出液と思われる液体で濡れてぐっしょりになっています。お尻の一部が欠けると本当に滲出液が出るんですね。
そして、肝心のオシッコですが、懸念をよそにあっさり出てくれました。
しかし、麻酔がきいているためか全く勢いがありません。勢いはないのですが一向に止まりません。
力を入れるとお尻に響きそうなので出終わるのを待つのですが、残尿感も微妙に麻酔で麻痺してしまっているようであとどれくらい出るのか感覚がつかめません。
たっぷり2分ほど出続けた後、やっと止まりました。
立ち上がって便座を見ると真っ黄色です。先ほどまで投与されていた点滴と全く同じ色をしています。
点滴で摂取したものの色が尿に出ることもあるのでしょうか。
ともあれ、これで恐ろしいカテーテルは回避出来ました。
20:25 初めてのパッド(生理用ナプキン)
おしっこの後はパッド(生理用ナプキン)をパンツに取り付けなければなりません。
男性の私は生まれて初めての体験です。パッドを開き、あてがいますが留め方が分かりません。
しばらくしてもう一枚薄紙が有りそれをはがすと粘着面が出てくることに気づきました。
しかし、今度は前後が分かりません!
そもそも生理用品とお尻から滲出液が出る状態はでる位置が違うため、前後がそのままでいいのか疑問が湧き上がります。
外に出て女性の看護士さんに聞くのもためらわれた為、勘で後ろを広い側にして取り付けます。
お尻がゴワゴワするかと思いましたがパンツをあげてしまうと全く気になりません。気にならなさすぎて本当につけているのか心配にすらなります。
20:30 夕食
パッドを取り付けて部屋に戻るとなんとご飯がセットされいるではありませんか!
メニューは以下の通りです。
入院1日目の夕食メニュー
- 麻婆豆腐
- ご飯
- きゅうりのサラダ
- コンソメスープ
お昼から絶食して水も飲めなかったので早く食べたくて仕方ありません。
椅子が硬い木の椅子しかなく円座クッションが欲しかったのですが、お腹が空いている方が勝ってしまい、木の椅子に斜めに腰掛けて食事を開始します。
味付けが薄く如何にも病院食といった感じでです。しかし、お昼から絶食していた私には涙が出るほど美味しかったです。
5分もかからず完食しナースコールで食事が終わった旨を伝えました。
そして、食後には今朝薬剤師さんにもらった薬を飲みます。来るときに持ってきた爽健美茶のペットボトルを開け抗生物質と痛み止め、胃薬を一緒に飲みました。
21:50 点滴の調整
トイレと食事で右手を使っていると次第に点滴針から血液が逆流して管が真っ赤になってしまいました。
右手は普通に使って良いという看護師さんの言葉があったので、大丈夫なんだろうと勝手に思っていると、他の患者さんの都合を終わらせて戻って来られた看護士さんが絶句されておられました。
私(やばい、怒られる?(゜o゜;)
と、一瞬不安になりましたが、点滴の管を外し、私の腕に残った短い点滴の管にポケットから取り出した透明の液体が入った注射器をだしてホースから入れています。
看護士さん「詰まってはいないと思うんだけど・・・手をあげてしまうとこんな感じに逆血しちゃうんですよ」
と教えてくれました。もしかしてはじめに注意するのを忘れられていたのかもしれません。
手は使っても良いけど心臓の高さより上にはあげてはいけないし、力を入れすぎてもいけない様です。
点滴が外された腕には針と短い点滴ホースが残りました。これをネットでまとめて腕に残しておきます。
看護士さん「痛み止めなんかを入れるときに使いますので、まだしばらく針は入れたままにしておきますね」
『針が入ったまま』という表現に一瞬くらっときますが、根性で立て直し了解の意図を返します。
21:00 消灯
小学生並みの21時消灯です。しかし、廊下の電気がしっかり付いていおり、看護師さんや患者さんが話す声がいたるところから聞こえる為、まだ寝る雰囲気ではありません。
21:10 鈍痛が始まる
動いた影響かお尻に鈍痛がはじまりました。ついに腰椎麻酔の効果も消えたようです。痛みはお尻の奥の方から出ており心拍に合わせてズンズンと響くような痛さです。痛みレベル5段階中のは1ぐらいです。
食後に飲んだ痛み止めが早く効くことを祈りつつ再びベッドで横になります。
21:30 薬間違えた?
看護士さんが少し慌てた様子で部屋に来られました。
看護士さん「私さん、もしかして薬のんだ?」
私「はい、飲みましたよ。座薬は明日からとの事だったので使ってませんけど」
看護士さん「そうですか・・・分かりました。大丈夫ですよ」
何が大丈夫なのかは定かではないのですが、どうも薬は明日からだったようです。
21:40 食べた影響でお腹が張ってくる
食事をしてお腹が膨れたのは良いのですが、今度はお腹がとてもグルグルと音を立て始めました。しかも、いつもとは違い、お腹全体が伸びをするように大きく動いているのが分かります。なにも食べていないからなのか、病院が静かだからなのか、はたまた薬の影響なのか定かで貼りませんがものすごく胃や腸が活発に活動している事がわかります。
そして、その影響で生産されるオナラがおしりまで来るのですが、なんとオナラを殆ど我慢する事ができません。
お尻に力がかかると痛そうなので無意識に力を抜いてしまっているのかもしれませんが、ほぼオートで出てしまいます。
4人部屋ではありますが贅沢は言ってられません。ここは病院です。他のおじいさん達はおむつで用を足しているくらいなのでオナラぐらいで恥ずかしがっている場合ではありません。
張っているお腹を救出する為、オナラを出しまくります。
22:00 最初のお通じ
お腹の張りをなくすべく、オナラを出しまくっていたらついに身がでた感覚がありました。
慌ててトイレに駆け込みます。手術後に当てられていたガーゼにわずかに付着した程度でパッドもパンツも無事でした。
あぁ良かった。
しかし、その後に出た初めての大は水の様な感じでした。
恐れていた痛みは全くなくちょっと滲みる程度。
先ほど薬を飲んだ後から旧元気なお腹の活動が始まった為、薬が原因の可能性が非常に高くなりました。
薬が続くうちは柔らかい便が続きそうだけど、その後は再発を防ぐ為にバナナうんちを目指さないとまた痔ろうが復活して手術室に逆戻りだなぁとぼんやり考えながら眠りにつきました。
こうして人生初の手術という一大イベントを無事に乗り越え1日が終了しました。
しかし、2日目の始まりはとても早く訪れてしまう事をこの時の私はまだ、知らないのでした・・・。