10_発症から入院まで

痔ろう発症(痔ろう1日目)

1.痔ろう、発症

その日は、小学1年生になる息子の土曜参観日でした。
息子の日頃の特訓の成果を見るために片道1kmほどの道のりをかけて小学校まで行くことに。

私には嫁さまと二人の息子がおり、上の子は小学1年生、下の子は2歳です。

私が乗る自転車がなかったため、2歳の息子は嫁の自転車に載せてベビーカー代わりにして二人で歩いていました。
その最中、私はお尻にある違和感を感じたのです。

 

1.1 痛くて歩くのも辛い

それは唐突の出来事でした。
家を出て数分は何事もなかったのですが、だんだんとお尻の奥が痛くなりあっという間に歩くのが困難になるほど痛くなったのです。

私「お尻、痛くなってきた・・・」
嫁様「あれれ、また痔かな?」

そうなのです。私はもともと着座時間がほとんどを占めるIT業界の人間で、痔とは長いお付き合いをしているのです。
しかし、痔といっても歩行が困難になるほどひどい痔になったことはありませんでした。

今での痔といえば肛門のまわりの血行が悪化し鈍痛になる程度のものでした。
今回の痔は歩くことすらままなりません。

 

1.2 死ぬ気で歩く

とはいえ、かわいい息子の参観時間はどんどんと近づいてきます。
歩行スピードを緩めるわけには行かないので、必死で歩いて小学校に向かいました。
自転車を押している嫁さまのほうが手ぶらの私より歩く早さはずいぶんと遅いはずなのになんども置いて行かれそうになりました。

なんとか小学校についた頃には嫌な汗がいっぱい出ていました。
参観は体育館でお遊戯の発表です。

 

2. 痔主には恐怖の体育館

2.1 第一の敵、パイプ椅子

しかし、そこにも難関が有りました。
体育館の椅子といえば・・・そう、パイプ椅子です!

パイプ椅子の申し訳程度のクッションでは私の傷んだおしりをカバーすることができません。
とはいえ、座らないと見られないので死ぬ気で座ります。

2.2 第二の敵、おばちゃんのテンパ

更に追い打ちをかけてビデオを撮るという高度な技を繰り出さなければなりません!
手がフリーなら椅子に手をかけておしりに加わる圧力を下げることができるのに、ビデオを持ち上げるとそれができません!

すでにおしりは悲鳴をあげています。
しかし、可愛い息子を撮り逃す訳には行きません。

勇気を振り絞ってカメラを前に向け息子を照準に入れようと試みました。

しかし!なんということでしょう!

前に座っているおばちゃんの髪がテンパ気味でモサモサしており、微妙に邪魔になるのです!

ガッデム!!!(素敵なテンパですね)

取りうる手段はひとつしかありません。
腕を伸ばしておばちゃんのテンパを避けるしかありません。

しかし、そんなことをすればどうなるのか。
タダでさえ全体重がお尻にかかっているというのにビデオと腕の重さまでもがフルにお尻にかかってしまいます。
ど、どうしよう・・・。

 

2.3 敵との戦い

司会「それでは1年生の発表を始めます」

私「!!!!!!」

司会が無常にも(?)開会の挨拶を告げます。
そこから、私の苦痛の20分間が始まりました。

可愛い息子をおばちゃんのテンパを避けてバッチリ映しました。
息子の発表も座った位置もばっちりで息子のかわいい姿を永久保存することが出来ました。

少々、手ブレが、多いですが・・・・。
よく頑張りました。私・・・。

 

3. まだ帰宅できません

発表が終わると私はすぐにお尻の治療を考えました。
今までの痔体験からすると、お風呂で揉むことによって絶大な回復をもたらす事が期待できます。
もう私はお風呂に入りたくてたまりません。脳内はしずかちゃんもびっくりのお風呂願望でいっぱいです。

私「熱々にして入ってやるぜ・・・!」

などと考えていると、体育館からでた2歳の下の子が運動場を指して目をキラキラさせ始めました。

3.1 小学校の校庭は魅惑的な遊具の宝庫

小学校の工程になにがあるか覚えていますか?
広い校庭、朝礼台、そして・・・たくさんの遊具・・・・。

2歳の息子は遊具に目が釘付けです。
普段小学校には出入りできないので、公演には無い珍しい遊具が沢山で遊びたくて仕方がない様子。

嫁様「じゃぁ少し遊んでいこうか!」
私「!!!!!?」

長い歩きと、硬いパイプ椅子、そしておばちゃんのテンパにやられた私のお尻を早く熱々のお風呂で癒してあげたかったのですが、息子のキラキラを無碍にするのも可愛そうです。

私はお尻に詫びを入れつつ、校庭で遊ぶことにしました。
しかし、この日ほど、校庭の遊具が恐ろしいと思った日はありませんでした。

3.2 小学校の運動場は悪魔の遊具の宝庫

滑り台はお尻にダメージを与えつつ坂を下る悪魔の処刑道具。
シーソーはお尻をリズミカルに傷めつける極悪の拷問道具。

どの遊具も恐ろしいお尻破壊力を秘めています。
子どもたちはこの様なお尻に優しくない遊具で果たして健康に育つことが出来るのか一抹の不安がよぎります。

途中で息子と遊ぶのを嫁様に変わってもらい、木製のベンチで緩やかなダメージに耐えることしました。
木製ベンチも十分イタイですが、悪魔の遊具で遊ぶよりはダメージが低めです。
すでに私は痛みでヘロヘロです。

 

4. 帰宅開始!歩行スピードは最低です!

数十分でようやく飽きた様子なので、やっと岐路につきます。

しかし、私は行きの半分ぐらいのスピードで歩くのがやっとでした。
小柄なおばあちゃんにも追い抜かれる脅威のノロノロ歩行です。

私「嫁様、先に自転車乗って帰ってお風呂貯めておいて頂けますか」
嫁様「いいよ~」

この歩行スピードに合わせてもらうより、先に帰ってもらうほうが気分的に楽でした。
そして通常の倍の時間をかけて家までたどり着きました。

家につく頃には痛くて、今日はもう何もしたくない気分でいっぱいでした。

 

5. お風呂で肛門マッサージ

嫁様に貯めてもらったお風呂に浸かりながら入念にお尻をマッサージします。
いつもなら肛門に血行が悪くなって豆のようなものが出来ていて、そのあたりを揉みほぐせば豆は消えて痛みは収まりました。

しかし、今回は様子が違いました。

私「豆が・・・ない?」

そうなんです。豆がありません。
小さな肛門をくるくる撫でてみても手に触るものがないのです。

私「そういえば・・・今回は肛門の更に奥が痛い気がする・・・。」

この時既に嫌な予感がしたのですが、そんな訳はないと考えを振り払ってお風呂からあがるのでした。
この後発覚する恐ろしい事態を私はまだ知る葦もないのでした。

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